保育園での完全除去食は大変困難です。
○除去食は、親子ともに心理的にも大きな負担となることが多く、何もかも制限してしまうほどの除去食の場合は、発育障害や栄養失調などになるなどの危険性もあり、慎重に進めなければなりません。保護者の独自の判断で食物除去をしないよう、定期的にアレルゲン抗体検査や診断を受け、その指示に従って進めるようにします。たまご、牛乳、小麦は3大アレルゲンとしても良く知られていて除去するケースも多いのですが、そば、ピーナッツのようにたまにしか使わない食品であっても、食べてしまうと激しいショック症状を起こしやすいものもあり、保護者や家庭との連携を密に取り合うことは大変に重要です。
卵(およびその製品)禁止の場合の食物
食べられないもの | それに代わるもの |
・鶏卵、その他の卵類 ・マヨネーズ、マヨネーズを使ったサラダ ・カステラ、ケーキの素、ホットケーキ(インスタントホットケーキ、)ビスケット、 ボーロ、プリン、アイスクリーム、菓子パンなど ・カツ、フライ、コロッケ、テンプラなどの衣、てんぷら粉、スープの素、生そば ・インスタントラーメン、食堂の中華そば類 ・インスタントココア、その他大部分のインスタント製品 | ・マヨドレ(卵不使用マヨネーズ)、サラダ油、酢、塩などでフレンチドレッシングにする ・市販の食パン,ノンミルクビスケット(卵不使用ビスケット)、磯部せんべい、小麦粉、ベーキングパウダー、砂糖でホットケーキ、蒸しパンを作る ・卵を入れないでころもを作る ・中華そばのたまを使い、つゆは自家製にする |
牛乳(およびその製品)禁止の場合の食物
食べられないもの | それに代わるもの |
・牛乳、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳、粉乳、山羊乳 ・ハム、ソーセージ、ラムマトン ・バター、チーズ、マーガリン ・ヨーグルト、ヤクルト、フルーツサワー、カルピス、およびその他の乳酸飲料 ・ポタージュ、スープの素、インスタントカレー、ホワイトソース、インスタントのマッシュポテト ・チョコレート、キャラメル、バター飴、キャンディー、ドロップ、チュウインガム等 ・ミルクココア ・ケーキ、カステラ、ビスケット ・ホットケーキ、 ・クリーム、プリン、ウエハース ・食パン、コッペパン、菓子パン ・アイスクリーム、シャーベット ・粉末ジュース、ソーダラップ、市販の果汁、ジュース類、コカコーラ、ペプシコーラ等 ・その他大部分のお菓子類 ・インスタントラーメン、インスタントスープ | ・チキンコンソメ(マギー製品)を使う。 又はインスタントでないカレー粉を使う。 自家製で牛乳を入れない。 当園では化学的に抽出したアミノ酸(旨味成分)が入ったコンソメを使っています。(味の素、クノール) ・ココア(牛乳抜き、純粋のもの) ・ノンミルクビスケット 小麦粉、ベーキングパウダー、 砂糖でつくる(蜂蜜、ジャムは良い) ・ノンミルクパン ・かき氷、寒天、ゼライス、白玉、くずもち、くずゆ ・ラムネ ・氷砂糖、カルメ焼き、水あめ、磯部せんべい(名月堂) |
大豆、豆類(およびその製品)禁止の場合
食べられないもの | それに代わるもの |
・大豆、小豆、落花生、枝豆(大豆)、もやし、いんげん豆、おたふく豆、さやいんげん、グリンピースなどの豆類全て ・豆腐、焼豆腐、納豆、油揚げ、がんもどき、厚揚げ ・みそ、味噌を使った料理 ・しょう油、しょう油を使った物全て、佃煮、漬物(しょう油を使ったもの)、せんべい、味付け海苔、ほとんどの缶詰 ・みりん干し、ほとんどの燻製、ふりかけ類、市販の煮物、食堂の料理(しょう油を使ったもの) ・きな粉、あんこ類、あんこを使った和菓子、ようかん、まんじゅう、おはぎ、あんみつ、みつ豆、五家宝など ・コーヒー、ココア、コーラ ・ピーナッツバター、ピーナッツ入りの菓子、チョコレート ・カゴメソース、でんぶ ・大豆油、しらしめ油、サラダ油、てんぷら油 ・マーガリンなどの市販のほとんどの油、これらの油を使った料理 | ・木の実、松の実、アーモンド、ナッツ類、カルバンゾー、ガラナなど ・乾燥した果実、ブドウ、パイン、アンズ、 プラムなど ・大豆ノン味噌(新進食品) ・大豆ノンしょう油(新進食品)、大豆ノン漬物(新進食品)、大豆ノンせんべい(三俣せんべい) ・浅草のり ・いもようかん、いもあん、白玉、くずもち、くずゆ ・コーンサラダ油、(日本食品)、純粋な綿実油、ごま油など |
離乳食
〇離乳食はご家庭と充分に連絡を取り、月齢に応じ個別に準備します。
〇ミルクはお子さんにより対応が異なりますので、各自ご用意いただきます。
〇哺乳瓶と乳首は充分に消毒して使用いたします。
〇冷凍母乳をお持ちになりたい方は、ご相談に応じますのでお気軽にお申し出ください。
〇授乳においでくださる方は、保育士にお知らせください。
〇育児日記に、離乳の目安が掲載しております、また、離乳食のレシピもございますのでお気軽にご相談ください。
献立例
全がゆ
白身魚のやわらか煮
かぼちゃの甘煮
大根の味噌汁
リンゴ果汁
全がゆ(初期、中期)の場合、基本的に白身魚のやわらか煮 生野菜は出しません
アレルギー疾患への対応
1アレルギー児への対応は、アレルギー児や保護者が安心して利用する為に、また、保育所が安全に保育を実施する為にも、それぞれが役割を認識しなければならない。
共通認識を持って対応する。
① 保育所において対応が問題となるアレルギー疾患は、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーで、その中でも「食物の除去」に関する管理が最大のものです。
② 食物アレルギーは、色々な症状を表すが、其の中の約10パーセントは緊急対応が必要なアナフィラキシー・ショックにいたる危険性がある。したがって、食物アレルギーについては以下のことに注意を必要とする。
食物アレルギーは乳幼児に多く、早期には診断が確定していないことが多い。
⊚ 確定診断が付いていなくても、保育所に子どもを預ける場合は、生活管理指導表に基づき、対応していくことが大切です。
⊚ アレルギーは時時刻々変化していく。(次第に直る例が多い)
⊚ 家庭で食べていない食品は、基本的に保育園では提供しない。(家庭と連携をとり対 応する)
⊚ 保育所での対応は家庭での食物除去よりも安全性を重視し、除去食品は完全除去を基本とする。(成長発達にあわせ家庭が基本となり、医師との相談もふまえ連携していく)
⊚ 保育園では、誤食事故が発生する可能性もある為、なるべく単純におこなっていく必要がある。
⊚ アレルギーに関わる食品の除去については、医師からの食物除去の指示書に基づき対応する。
3 緊急時における保育園でのエピペンの対応
① 基本的に保育所ではエピペンは預からない。
② アナフィラキシー症状が出た場合即119番通報をする。
救急隊員には、アナフィラキシー症候群児であることをはっきりと伝える。
③ 止むを得ない場合に限り、前もって保護者の承諾を得、エピペンの使用も時にはありえる。(人命第一)
今、現在対応しうることは以上と思われるが、アレルギーに関しては、研究が著しく進んでいるため、ガイドラインについても適宜見直しを行うこととする。 (2014.1.1)
注 意 !
⊚ エピペンは、処方されている人にしか使用できない。
⊚ エピペンは、1回しか使用できない。薬液は残るが、2度打ちはできない。
⊚ エピペンは、アナフィラキシーの補助治療剤であり、使用した後は必ず受診が必要であること。
⊚ エピペン本体では練習しないこと
⊚ 使用した後の器具は危険のない様、安全キャップをかぶせ保管し、医療償却物として処理する。